相続手続をお願いする所の選び方 |
葬儀のあとは、相続手続支援センター |
専門家はどのように選べばいいのだろう?
「 いったい何を相談したいのか 」
それによって、相談する場所は違ってきます。税金の事を相談したいのであれば税理士が詳しいですし、登記の事を相談したいのであれば、司法書士が詳しいです。法律的な判断を相談したいときは弁護士が詳しいですし、年金などについて知りたいのであれば社会保険労務士が詳しいです。
何を相談したいかということは非常に大事な事です。車を買いたいと思っているのに、お花屋さんに相談しても解決しません。家を建てたいと思っているのに、レストランに相談に行っても解決しません。相談したい内容を自分の中ではっきりさせないと、解決するまでに時間がかかってしまうことになります。
とはいっても、何を相談したいかが分からない。という方もおられるかもしれません。そういう方は、相続の手続を専門に扱っている機関やセンターなどに総合的に相談するといいでしょう。
手続を依頼するところを見極める
どこに何を相談したいかということが決まれば、手続を依頼してもいいのかどうかを見極める必要があります。まず、そこでは、あなたがして欲しい事を話して下さい。
・一つの手続だけをして欲しいのか。
・いろんな手続を一括でして欲しいのか。
・どんな手続をしていいのかわからないから一から相談したいのか。
そこが、本当にあなたがして欲しい事をしてくれる所なのか、確認してみる事は必要です。そして後々トラブルが起きないために、次の3つの事をきちんとしてくれるかどうかを、確認しておく事が必要です。これは本当に信頼できる所かどうかの判断の役にも立ちます。
チェックその1・・・見積を出してくれるか
これはもう基本中の基本です。どんな手続にいくらくらいの費用がかかるのかは、当然知っておく必要があります。できる限り詳しい見積を出してもらう事が必要です。最後にたくさんの費用を請求されるよりは、事前にいくらくらいの費用がかかるかを知っておくほうが安心です。
実をいうと、手続を依頼される側は、見積を出すことで仕事の一部は終わっているのです。どんな手続が必要なのか見分ける事が、時間がかかり大変な作業になることも有ります。
手続をする側としては、事前に正確な見積を出すというのは、なかなかやりにくいですし、予想できない手続が後で出てきたときに、値上げをすることも大変です。見積を出すという事は、それだけ責任も出てきます。
逆にいうと、見積が出せないところや、出し渋るところというのは、何か出せない理由があるところだと思います。ただし、相談を受けただけで、その場で正確な見積というのを出す事は、とても難しいです。やはり、資料などを見た上で、少しは時間がかかってしまう事もあるかもしれません。その辺は理解してあげてくださいね。さあここからです。次に確認する事は、次の2点です。
チェックその2・・・スケジュールを出してくれるのか
今後必要な手続が、
・ どのような順番で、
・ 誰がどれくらいの期間をかけて
・ いつ手続が終了するのか、
確認しておく事も大切です。いつから始まっていつ終わるのかが分からなければ、例えば初盆までには終わるのかとか、年内には終わるのかとか、親戚の人に聞かれても困りますし、いつ終わるのか分からないのは不安があります。
それと、言われてみればあたりまえの事ですが、手続を行う側にもプレッシャーがかかるのです。当然ですよね。自分で作ったスケジュールというのはやらなくてはならない義務感がありますから・・・。スケジュールを作ってもらうと、あなたの手続を忘れにくくなるという効果があります。
どんな仕事でもそうですが、一度にたくさんの事を抱えてしまうと、どうしても後回しになってしまうということがあると思います。
そんな中で、スケジュールが立っているものと、立っていないもの、もっというと期限が決まっているものと、決まっていないものとでは、どちらを先にするかというのは目に見えています。スケジュールを立ててもらうという事は、隠れたこんなメリットもあるのです。さあ、それでは最後の確認です。
チェックその3・・・財産分けに必要な資料を作ってくれるのか
これからあなたが身内の方と、話し合いをするために、いくつか必要な道具があります。その中の一つで役に立つものとして、財産目録などの資料があります。この資料が有るのとないのとでは、あなたの説明のし易さが全く違います。そしてあなたの話の信頼性が増します。
遺産分けの話の中で、一番大切な事は、全員が同じ情報を持っているということです。全員が同じ土俵の上に上がれば、話もまとまりやすいです。
「もっと財産があったはずだ」
「これだけしかなかった」
「そんなはずはない」
なんて会話は、したくないはずです。スタート地点が最初から違っていると、反対方向に走っていく人もいれば斜めに走っていく人もいるので、なかなかゴールに着くことができません。
話し合いのスタート地点をはっきりさせるためにも、第三者にきちんとした話し合いの資料を作ってもらったほうが信頼性もありますし、公平性も有ります。もちろん相談する第三者には、隠したりだましたりしてはいけないことは当然です。
もしこの資料がなければ、あなた自身が、みんなに納得してもらえるよう、正確に伝えなくてはなりません。資料があるのとないのとでは大違いです。 さて、ここまでやってくれる所なら、しっかりした機関や会社です。あなたの不安も少なくなっていると思います。しかし、本当にこれで安心できるのでしょうか。最後に、裏技を一つだけ教えます。
最後の裏技「お客さまアンケートを見せてもらえないですか?」
依頼者や相談者の事をしっかりと考えている所にとっては、まさに、「よくぞ聞いてくれました。」でしょう。スーパーでも、レストランでも、カレーのチェーン店でも、お客さまアンケートという制度があって、お客さまからの苦言や苦情、お褒めの言葉などを会社として収集しているのを見たことがあることと思います。
お客さまアンケートというのは、サービスの基本です。どんな仕事でも、お客さまからの評判が悪ければ、誰も来てくれない事になってしまいます。お客さまアンケートを集めている会社は、そこに敏感なのです。
言いかえれば、どうすればお客さまに満足して頂けるか、常に考えているわけです。だから、『お客さまの生の声』を大切な情報源にしている訳です。大クレームなどが社長宛に届こうものなら、担当者は大目玉でしょうし、逆に素晴らしいお褒めの言葉を頂けたなら、それが明日への活力となって毎日、より頑張ることも出来るのです。
相続の手続も同じだと思います。つまり、依頼者からのアンケートを大切にしている所ほど、良心的な手続をしている可能性が非常に高いのです。これは、間違いないと思います。是非、担当者に質問してみて下さい。
残念ながら、お客さまアンケートを実施していない所もありますが、担当者がうれしそうに、『わかりました。これがですね、・・・』と説明し出したら、これは安心できます。ただ、見せてくれるアンケートは、良いことを書いてくれたものばかりかも知れません。お叱りのアンケートなどは見せたくないのが本音ですから。そこら辺の気持ちぐらいは、ちょっとだけ察してあげて下さい。
以上、いくつかの判断基準をお話してきましたが、あなたが合格点を出せる所だけが、あなたの味方です。正直言ってなかなかいないように感じるかもしれません。ですが、程度の差はあれ、あなたが合格点を出せるところであれば、それでよいのです。ぜひ試してください。
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